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臼田 重和; 篠原 伸夫; 桜井 聡; 間柄 正明; 宮本 ユタカ; 江坂 文孝; 安田 健一郎; 國分 陽子; 平山 文夫; Lee, C. G.; et al.
KEK Proceedings 2007-16, p.13 - 22, 2008/02
日本原子力研究開発機構(原子力機構: 2005年発足)では、その前身である日本原子力研究所及び核燃料サイクル開発機構の時代から、おもに原子力施設から環境に漏れる放射線や放射性物質を管理・監視,その影響を評価する目的で、環境放射能にかかわる幅広い研究開発が行われてきた。ここでは、核兵器を廃絶し、原子力の平和利用を推進するため、1990年代の半ばから計画された保障措置にかかわる極微量環境試料分析と包括的核実験禁止条約(CTBT)にかかわる超高感度放射性核種監視に焦点を絞り、核不拡散を目的とした環境放射能に関連する原子力機構の研究開発を紹介する。さらに、開発した技術の応用と今後の展望についても触れる。
桑原 潤; 鈴木 崇史; 天野 光
KEK Proceedings 2007-16, p.184 - 186, 2008/02
海藻等の生物試料中のヨウ素同位体をモニタリングするために、多数の試料の前処理を効率的かつ安全に実施するため、従来法より低い温度で灰化を行う前処理法を検討した。粉末状に粉砕した乾燥ヒジキを磁製るつぼにはかり取り、マッフル炉中で500Cまで加熱し2から3時間燃焼させた。灰化試料に蒸留水を加え、メンブランフィルタを用いて不溶成分を除去した後、アンモニア水を加え塩化銀沈殿の生成をマスクしつつ、硝酸銀溶液を滴下してヨウ化銀沈殿を生成した。メンブランフィルタにより沈殿を回収後、乾燥させAMS測定用ターゲットピースを作製し、AMSによる測定を行った。本前処理法で調製した試料はすべて、測定に支障を与えることなく極めて高い再現性でヨウ素同位体比を得ることができた。本前処理法は従来法と比べて極めて簡便であり、特にイオン交換や溶媒抽出を行わないものの、測定に支障をきたさない程度の純度でヨウ化銀の沈殿を得ることができたことから、生物試料中ヨウ素同位体比測定のための前処理法として非常に有効である。